ようこそ。咎人の集う空の世界へ。ようこそ。『闇』へ……。争い、現実、腐った心……。完全なる絶望の中、その中でも私たちは生きられる。――さぁ、現実を忘れ、冒険に出よう。希望の、冒険へ――
サヨナラヘヴン
プロフィール

クレスリア・ヴェグナール

Author:クレスリア・ヴェグナール
よく変わる↑の絵。自画像ではない。(じゃあ描くな
今回は若干の天パーを目指してm(絶対天パーになってない

クレスとか言うへたれやろーが運営しておりまふ。

種族:マグマラシ
性別:♂
年齢:18歳(人間換算)
性格:多重人格。共通事項は意外と弱気。
好物:感動できるもの(偏見アリだが/…)あとは甘味を少々。
趣味:へたれ思考を垂れ流すこと。絵、新作ハードゲーム(  &テニス

最強の妹ことラティアスが死ぬほど好きだったりする(ぁ

星が見える名言集100
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
あくせすかうんたー

日常を行く涙

...2008/04/11 19:33...


「――ルサンキア。……パートナーって、どんなものなのかな」

「――私とマリア。それ以外に何を指す?」

 私が眠りに就くその時、ルサンキアは微笑んでいた――。






 ありがとう。

 店の中に一言を残して、私はルサンキアが開けていてくれているドアを潜った。そして私は少し歩いたところで、振り返ってルサンキアを待っていた。

「ソ……私――剣術――」

 ルサンキアは店内にまだ残っている誰かと話しているようだった。

 ルサンキアの声はとてもはっきりとしている。浪々しく、時には流水のように滑る旋律は、私に話しかけるときは、ずっと一緒に居て欲しいような、そんなどこか優しい声色だったり、何処か棘が見え隠れして有無を言わせないような圧迫感をも伴う時もある。今の声はどちらかというと、素っ気無く用件だけを淡々と述べるような事務的な、そんな印象だ。

「いくぞ。マリア」

 結局、店の中からの返事は待たずにルサンキアは私を追い抜いてしまった。私もすぐにあとを追うために駆け出す。すぐに追いついたはいいが、店内から微かに聞こえた声に、ルサンキアは眼の色を変えて振り返った。

「……どうしたの?」

 私の声は、半ば水圧の奔流によって掻き消された。闇に紛れたハイドロポンプは直通で店内の誰かにぶつかったようだった。おそるおそる、私はルサンキアに尋ねる。

「なんでもない。待たせてすまない」

 ……憤慨の表情だった。尾を鋭く振ってから、ルサンキアはまた基地の方へと向かい始める。……よく分からないが、多分、そういうことなのだろう。深く追求するのも気が引けるし、手を出さないでおこう。――それが、パートナーとして、ルサンキアが望むかはわからない。

 私はいつもそうだ。決め付けることはできても、知ることはできない。分かりやすく言うと、真実だと決め付けることは出来ても、真実を知ることはできない。パートナーとしてルサンキアがどのように、何を私に求めているのか。私はどのようにルサンキアを求めればいいのか。

 言い訳はしたくはないんだけど、これだけは分かる。

 ――私にとっての初めてのことなんだ。ちょっとずつでも、先に進むしかない。

 これは、私の挑戦なんだってこと。だから、今も遠ざかる背中に追いすがらないといけない。だから、前に進まないと。私は、駆け足でルサンキアの後を追う。いつかのように、重く辛い足取りではない。しっかりと地面を踏み締めれている。少し、自信がついたような気がする。するだけ、なのがたまに傷かもしれないけど。

「今宵も、良い夜だな。マリア」

 月を見上げながら、ルサンキアが語りだす。

「この島って、空気が澄んでるから……いっつも、綺麗に星とか見えるんだよね」

 タマムシシティとは大違い。と最後に付け加えて、私も夜空を、星辰を見ていた。

「マリアの世界のタマムシシティは、空気が淀んでいるのか?」

「一応、ちょっと前までは車とかが主流だったから、排ガスで、ね」

 月と星が映える海岸と、果て無き海岸線。静かな小波と私たちが踏み締める砂の音だけの世界で、私たちは話している。ルサンキアは目をすぼめた。

「嘆かわしいことだ。ポケモンたちの世界を何だと思っているのだろうか……」

 血痕の双眸を細め、分かりやすいぐらいに怒りを顕にしている。一体、どこまでの仕打ちを受けてきたのだろうか? 血で血を洗う鮮烈で苛烈で激烈な記憶を、忘れられそうも無い様子でもあった。むしろ、それを糧として力を得る。……負、というより、闇、と言った方がしっくりくるかもしれない。それが、ルサンキア。

 ……忘れることも出来ない過去を、私と同じくルサンキアも背負って生きてきたんだと、この時、少し実感したかもしれない。だから、あの時に私は決定したのだろうか。ルサンキアは、認めてくれたのだろうか。

 それも、今となっては分からない。

「マリア。着いたぞ。――マリア?」

「――え、あ。うん。そうだね、それで?」

「……粗方、私のことを考えていたのだろう?」

 ルサンキアの目は、真っ直ぐに私を見透かして、射抜いてくる。私は視線を逸らした。認めたという意思表示をしてしまった。

「……ちょっと、ルサンキアの過去が気になって……ね」

 パートナーとして、あるべき姿なのだろうか。今私がしていることは、ルサンキアはどう思っているのだろうか。私の小さな脳を疑問が駆け巡り、行き場を失った答えは、闇に次々と葬られていく。

「いずれ、互いに話す時がくるであろう。その時でも、遅くはあるまい?」

 その思いを汲み取ったかのように、滑るように優しく私を気遣うルサンキアは、とても凄いと思う。そこまで考えられて、そして優しいルサンキアが、ほんのちょっぴり羨ましい。

「――そうだね。いつか来る時が、あると思う」

 私も微笑んで、ルサンキアに笑みを返した。上手く笑えただろうか。分からないから、先に基地に入る私を、どうか許して欲しい。

 基地に入ると、まず目に入るのはちょっとした飾りを施してある壁掛けのランタンと、部屋の中央付近に吊るしてある大きめのランタンだろう。ルサンキアが入ってくる前に、手馴れた作業となったそれを次々とこなしていく。

 意外とこのランタンは思った以上に明るく、しかも昼の光のように白いのだ。これは父さんたちの世界から持ち込まれたものだから、おそらくなにか特殊な材料でも使っているのかもしれない。燃料は普通の燃料なのに炎が白いということは、火を灯す構造自体が何か特殊なのか、それとも魔法の類なのか。一度詳しく見てみようとしたがランタンには予備が無い。壊すと勿体ないので結局手は付けずじまいに終わってる。忘れていなかったら今度キメイラか父さんの世界の人に聞いてみよう。

 それと、やはりゴツゴツした空間だ。海岸ということだけあって湿気とか潮風がちょっときつい時もある。
 例えば、箪笥の中の洋服の類だ。これに匂いが染み付いてしまうのは流石にいただけない。ということで、一応は消臭剤とか箪笥に入れるなんかよく分からないけど触りたくないような液体が入ってるのとかを入れて脱臭や湿気も取っている。しかし、なかなかどうして、効果がすぐ切れてしまう。こまめに買出しに行くのに死に掛けそうになるのはハッキリ言えば駄目だ。と言ってしまえば自分ではどうしようもないと公言してしまうと同じである。料理や掃除は毎日続けててもこればかりはちょっと道具に頼らざるを得ない。

 ……今も思うが、前の基地が良かったとつくずく後悔している。雷で根元がやられてしまってそうせざるを得なかった、というのが尚更悔しい。

 悔しいから、結構気合が入ってくるというものだ。絶対、心地よい空間に仕立て上げてやる――。

「――ッハ?」

「マリア、先ほどから繁々と部屋を見渡してどうしたのだ? 特に散らかっている様子は無いが」

 危なかった。危うく自分の世界に浸透しきってしまうところだった。

「あ、うん。まぁね。意外と綺麗でしょ?」

「そうだな。心地が良さそうだ」

 長い身体をとぐろ状に巻いて、背筋を伸ばしてルサンキアは基地を見渡している。紅い双眸は、どことなく睥睨するように見えるのが、ルサンキアらしいというべきなのだろうか。少なくとも、悪く思ったことはなさそうだから、ちょっと嬉しい。

 寝台に腰掛けて、一息ついた。刻は既に深夜だ。眠気も酷くなってきている。明日……といっても今日か。疲れを残しておくと一日がだるくなってしまう。

「ルサンキア。私は流石に眠いけど、どうする?」

 掛布などの位置を整えている途中で、ゴザの上で佇んでいるルサンキアに聞いてみた。実はちょっと、我が儘を言うためにこういうことを言うのは内緒だ。

「無論。私も寝よう……」

 寝る位置を決めかねているルサンキア。――ごめんね。

「あのさ……近くに、居てもらえるといいんだけど……」

 私の恥ずかしい癖だ。

「やっぱり、近くに居てくれた方が、安心するんだよね……」

 誰かが傍に居てくれないと、駄目なんだ。

 私が私を保つため――というのは、言い訳に過ぎない甘ったれた考え方、なんだろうなぁ……。記憶の片隅に追いやったはずの断片が、どうしてもちらついてしまう。ルサンキアが過去に非道いことを体験したと同じように……同じなのかはわからないけど、私にとっても辛い過去なんて、沢山ある。孤独で居る時、それは猛然と襲い掛かって私を苦しめてくる。油断をするとあっという間だ。

 パートナーとして、こんな私でごめんなさい。私の胸の中は後悔と憎悪で、どす黒く汚れている。振り払っても、決して落ちることは無いこの黒は、私の証。

「……勿論だ。さぁ、もう遅い。寝よう」

 私の寝台の傍まで寄って来たルサンキアを直視できなくて、私は早々と掛布を被って寝る体勢に入る。


 以前の私なら、此処までで終わっていたかもしれない。


 前に進むと誓ったんだ。頑張らないと。一筋の光を頼って進むしかない。チャンスを逃しちゃいけないんだ。




「――ルサンキア。……パートナーって、どんなものなのかな」

 私は、眠りに堕ちるその寸前、泣いていた。





 日常を行く涙――了




 いやまぁ、しかし。文章力が欲しいこの頃。ルサンキアってこんなもんでいいのかな?(駄/…)


Thanks!
やっぱりライノベラーは凄いな・・・俺にはとてもマネできない描写も、多く使用してる。
全く違和感を感じなかったし、俺以上にルサンキアの魅力を引き出せているような気がする、これはお世辞じゃなくて真面目な話。(ぉ
此処まで来るとクレスがルサのことをよく観察してくれているのがよく判る、本当に嬉しいよ。
このSSの描写を参考にさせて欲しい。

仕返しにルサンキア視点で、マリアのことを書いてやるから覚悟しろ。(ぁ
・・・・、マリアの発言を描くことはできなく、しかもヘタクソなのは許してネorz(帰れよ
【2008/04/11 20:40】
URL | 大使 #oUPgpoCM[ 編集]




この記事に対するコメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する







この記事に対するトラックバック
...トラックバックURL...
http://cressmaria.blog98.fc2.com/tb.php/59-6267c1d7
CALENDER
07 ⇔ 2008/08 ⇔ 09
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
このブログをリンクに追加する
By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる